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「自分たちが本当に着たい服」を軸にしたモノづくり。 可能性を広げる、選択肢の幅を広げていきたい。

TS DESIGN - 株式会社藤和

代表取締役社長藤原 洋明

Hiroaki Fujiwara / chief executive officer

「自分たちが本当に着たい服」を軸にしたモノづくり。
可能性を広げる、選択肢の幅を広げていきたい。

TS DESIGN - 株式会社藤和

幅広いアイテムの組み合わせや、コンプレッション系のスポーティなアイテムで人気のTSデザイン。今回は、TSDESIGNを展開する株式会社藤和の藤原社長( ※取材時は専務取締役)に、 TSデザインの背景やワーカーズ業界への思いを伺った。業界の常識を覆し、常に新しい提案を続けるTSDESIGNの魅力に迫ります。

境の中スタートしたTSDESIGN
固定化した業界の常識を変えた「選択肢の幅」。

大学卒業後、一度は岡山の繊維商社へ就職し、香港で2年ほどアパレル業界のイロハを勉強しました。そこから、家業であるこの会社に戻ったのが、25才の頃。当時は、私自身「作業服=ダサい・かっこわる」というイメージが強く、価格も考えられないくらい安いことにびっくりしていました。また、お客様も作業服を選ぶ際には価格で選んでいて、業界全体として固定化されて、他のメーカーともあまり差別化が図られていない状況でした。

そんな中、この状況を打開していこうと2008年に立ち上げたのが「TSDESIGN」です。しかし、当時は、私自身まだまだ作業服屋としては経験もありませんでしたし、しかも、リーマンショックとタイミングがかぶっていました。会社全体の売り上げも大きく落ち込んでいく中、これまで通りの従来型の作業服を打ち出した方がいいのではないかという意見もあった。

しかし、それでは価格競争に巻き込まれて立ちいかなくなる。社内のムードも悪かったですが、苦境を打開するためには、新しいことにチャレンジして業界に新しい価値観を提案することが必要だと思っていました。
それならば、うちは価格にとらわれずに、とことん物作りにこだわった、商品を軸に打ち出していこうと本当に固定概念にとらわれない、どうやったらお客様が、自由にかっこ良く選んで着てもらえるかということを考えたんです。

にしたのは「自分たちが本当着たい作業服
とことんこだわり抜いて独自のポジションを築く

TSのこだわりは、他が出さないものを作るということです。様々な方面からの要望や情報はたくさん仕入れるようにしていますが、そのままを作ることはしない。必ず、自分たちとしての表現ができているかどうかという点は、こだわっています。想像を越えるためには、聞いている以上のものを形にしていかなければならないと思います。確りとこだわりを持ちながら、お客様の想像を超えるものを推し進めて行きたいですね。

これまでは、うちの社員にも作業服はこちらで決めたものを支給していたんですが、五年ほど前から、自分たちで作業服を選んでもらうようにしたんです。
TSの強みは、「組み合わせ」。
ユーザー様の気持ちになって、自分達が着たい服が作れているかというフィードバックにもなる。若い社員も含めていろんな社員が自分の着る服を選ぶので、これまで思いもよらなかった組み合わせなどが生まれて、新しい発見にも繋がっています。
TSの特徴でもある選択肢の多さは、いろんなパータンがあることで売りにくいというイメージだったんですが、それを逆手に取ると、組み合わせが作れるということになります。その部分をしっかりと自分たちが発信することで、逆に強みになっていると思います。

マイナスをプラスに変える発想の転換ですよね。いきなりぶっ飛んだことをやるのは難しい。ですが、これまでの商品の良さなどを次に繋げて、どう工夫していくかということでオリジナリティの可能性は大きく広がっていきます。

働く人が、輝く世界を。
本物の「かっこよさ」を追求していきたい

TSDESIGNはこれまで10年間走り続けることができていますが、ワーキングウェアに新しい提案を続けてきたところは、私たちの強みとなっていると感じます。商品の良さをどうやって繋げていけるか。商品の見せ方といいますか、メーカーとし てのモノ作りやユーザー様に対する思いや背景を、今後もっと発信していければなと思っています。 
本当の「かっこよさ」って見た目だけでない、もっと深い部分に隠されているんだろうと思います。ビジュアル的なものも重要ではあると思いますが、本質的な機能や性質などをよりシンプルに追求することが必要でしょうし、そのためにも、技術であったりその魅力の発信方法などはもっと考えていきたい思います。もちろん他社の動向なども気にはなりますが、まずはTSとして世に出すべきものを確りと吟味し、展示会にきていただいたお客様にワクワクを感じてもらった上で、TSを選んでいただけるようになりたいですね。

2020年に向けてワーキング業界も活気付いていますし、社会に染み付いた業界のイメージをよくしていくためにも、作業服にもこんなものがあるんだっていう、いろんな選択肢の幅を広げてあげることが私たちの使命だと感じています。

凝り固まった考え方をなくせば、作業服の可能性もどんどん広がっていくと信じてこれからもモノづくりに向き合っていきたいと思います。