ヒトの仕事の力になる、発想力企業。  江川 真史

INDUSTRIAL Member Interviews

01ヒトの仕事の力になる、発想力企業。

株式会社ユニワールド

代表取締役社長江川 真史

Masafumi Egawa / chief executive officer

すべては、「働く人」のために。
作る・提案する喜びを、感じる企業でありたい。

UNI WORLD

WONDER GRIPを始め、圧倒的な知名度や高いテクノロジーを誇るPUMA SAFETYなど、独自のアイディアと商品力でワーカーズ業界をリードするユニワールド社。常識を覆す企画とアイディアを持ちながら、共に働く従業員を誰よりも大切にしている江川社長。彼の商品・会社・そしてインダストリアルにかける思いとは。

金融マンから一転ーカーズ業界へ。
もの作りへかける思いから始めた製造業

私自身、元は地方の銀行に勤めていた金融マンでした。そんな中、妻の実家が作業用の手袋や靴下の卸業をやっていたこともあり、転職をきっかけに、私もこの業界へ飛び込むことに。ただ、卸業だけでなく、お客様が喜んでくれるものを商品化して提案してみたいという気持ちは当時からあったと思います。その後モノ作りの世界に入っていろんなことにチャレンジしてきましたが、気づけは独立して20年が経ちました。 ここまでたくさんの人と巡り合いながら、なんとか製造業としてやって来れたものの、創業当初は、商品企画からそれを形にしてくれる工場探し、また出来上がった商品の販売から出荷、商品代金の回収まで、全ての業務を妻と二人でやってましたので、正直目の前の仕事をこなす事で精いっぱいでしたね。でも自分の思い描いたものを作るというところに楽しさややりがいを感じていましたのでここまで続けてくることができました。 うちの会社の製品は、作業用の手足ものが主力で、初めは軍手と靴下から始まりました。何か他社と差別化しなければと、当時は他の業者がそれほどこだわってはいなかったパッケージのデザインなどにも気を使いながら試行錯誤を繰り返していましたね。ただ、パッケージなど小手先の施作だけでなく、商品の品質など本質だけは見失わないように心がけていました。一つひとつ段階を踏みながら続けて来たおかげで、現在ではプラベートブランドの商品も浸透し、ワーカーズ業界の手足もののメーカーとして少しは認知していただけるようになってきたように感じています。

ピンチチャンスわる。
リスクれず、した戦。

会社が大きな転機を迎えたのは、リーマンショックが起こった2008年。それまで革手袋の中国工場は、我々のような小規模の会社をなかなか相手にしてくれなかったのですが、各メーカーの購買力が冷え込んで行く中、我々の話にも耳を傾けてくれるようになってきました。もうこれはチャンスだと思って、中国の工場に積極的にアプローチして、一気にパイプを太くしていきました。この頃から、モノ作りのバリエーションが徐々に増えていきましたね。その後、中国では珍しく自ら発案した商品を作っている手袋工場とも出会い、パートナーとして一緒に商品開発を進めることになりました。この工場が現在のユニワールドの主力商品であるWONDER GRIPを生産してくれている工場なんです。 リーマンショックで消費が冷え込む中、しっかりと安定したお客様がいてくれたおかげで、ピンチをチャンスに変えることができたのだと思います。 そこから、CHINA +1という概念が世で叫ばれるようになり、我々も次の手を考えていたところ、浮かび上がってきたのがバングラディッシュ。工場を作るため、バングラ全土を隅から隅まで回りました。最終的に行き着いた場所は、首都ダッカから遠く離れたマグラという田舎町。地元議員さんの力添えもあって、法整備からはじめて工場設立まで本当に手探り状態でしたが、何とか工場も完成し稼働させることができました。 バングラデシュの方は、皆さん純粋で真面目な性格。製品にこだわりたい弊社にとってなくてはならない存在です。現在では日本向けに純綿軍手、純綿軍足、革手袋、スムス手袋、腕カバー、エプロン、農作業ブラウスなどその他にも多くの製品を生産・出荷しています。

とも仲間と、
本質見抜視点成功へのカギ

普段から意識していることですが、社長という立場になってからは従業員のモチベーションを大切にしています。ここまで続けてこれたのも従業員あってのこと。やはり、会社は働く人が盛り上げていってくれているものです。そこを大切にしないと10年、20年と会社を成長させていくことは難しいと思います。 そして、社員一人ひとりが積極的にいろんなことにチャレンジできるような環境を整えていかなければいけないと考えていますが、まだまだ自分の度量不足で思うようにできていないと思います。最後の責任は自分が持つという覚悟がないと、社員は積極的に手を上げてくれませんね。これからの自分自身の課題だと思っています。 そんな中、少しずつ将来の思いを共有できる社員が育ってきてくれています。そんな社員たちとアイディアを出し合って新しい商品の企画や開発の話をしたり、新規事業の話をしたりしながら過ごす時間が一番楽しいですね。 そんなアイディアを共有できる仲間でもある松井さんが始めたインダストリアルについてはほんと期待しています。やはり表面だけでなく、本質を捉えたものでないと長続きしない。職人さんがプライドを持って使っていただく商品に見掛け倒しがあってはならないですし、全てはユーザーである職人さんのため。私どもの商品とのコラボでも、しっかりとインダストリアルの思いを大切にして喜んでいただけるものを提供していけるように頑張りたいと思います。時間はかかると思いますが、ちゃんとしたものを作っていれば、必ず評価につながると思いますし、ぜひ、インダストリアルには本物を目指してもらって頑張って貰いたいなと思います。